今年(2023年)のiPhoneの発表・発売まであともう少しの時期まで来ました。
次期iPhoneではLightning端子がなくなり、USB type Cになるのではといった予測がされていますが個人的に最も気になるのはSIMカードです。
2022年のiPhone14シリーズではアメリカ版限定だがe-SIMオンリーへ
iPhone14シリーズではアメリカでは物理SIMカードが廃止されe-SIMのみの仕様となりました。アメリカ版のiPhoneにはSIMトレイそのものがないんです。思い返せばSIMカードの小型化を推し進めたのはiPhoneでした。iPhone4でSIMカードからMicro SIMへ、iPhone5でMicro SIMからNano SIMカードへと率先して変更しました。Android系端末がその後続いていくという形であっという間に普及したという経緯があります。
日本やアメリカ以外の国もe-SIMオンリーの流れになる可能性
iPhoneは周波数的な問題から各地域ごとに幾つかの種類の型番に分けてiPhoneを製造・販売しています。しかし根底にあるのは基本的な構造や部品などはなるべく共通化して大量生産して安価に販売していくという考え方です。そうなるといずれ世界的に物理SIMではなくe-SIMへという流れになるのは既定路線だと思います。
そうなると日本人の50~70%程度はiPhoneを使用しているという調査がありますので、キャリアも対応を強化せざるを得ないでしょう。日本のiPhoneからSIMカードがなくなる場合にはe-SIM対応を携帯キャリアは強化する必要があります。またMVNO等でe-SIMに対応できていない会社は対応の優先度が格段に上がることになるでしょう。
中国・マカオ・香港版iPhoneの物理SIM仕様は継続する?
中国、マカオ、香港版のiPhoneは物理デュアルSIM仕様ですが、これにはe-SIMに対して中国政府が規制をかけているからという事情があるようです。Appleが中国政府の要望に歩み寄った結果だそうですが、Appleは地域に合わせて柔軟な対応をとってきた経緯があります。例えば日本だとApple PayでのFelica対応の例があります。
中国政府が物理SIM採用の姿勢を今後も継続する場合には中国、マカオ、香港版のiPhoneのみ物理SIM使用が継続され、物理SIMが必須の人は中国、マカオ、香港版iPhoneを買い求めるということになるなんてことになるかもしれません。
SIMカードの小型化はAppleが率先してきた
いずれにしてもSIMカードのサイズ変更と比較して物理SIMカードからe-SIMへ変更することは難易度が違うのでしょう。そう考える理由として、iPhone4からiPhone5のMicro SIMからNano SIMへの変更は2年間しかないのに対してe-SIMが採用されたのは2018年のiPhone XS, XRシリーズからとすでに今年になって5年経過しています。
Appleという会社は元々レガシーを切り捨てて新しい使い方を追求する会社です。光学ドライブをMacから率先して廃止した経緯もあります。切り捨てる時には反対意見が根強かったりするのですが、振り返ってみるとAppleの切り捨てには切り捨てる時の少し先を見据えた上で実施しているように思えます。
一部ではUSB Type-Cではなく完全に無線化するのではという予測もあります。今年のiPhoneがケーブルレスになるというのは難しかったとしても、きっとAppleの目指す最終的な世界はきっとケーブルレスなのではないかと思います。MagSafeを作ったのはきっとその流れの一環なのでしょう。
今年のiPhoneがどんな変化を遂げるのかが楽しみです。
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