Galaxy S23 Ultraを購入後、Samsungメンバーアプリ内でSamsungオンラインショップで商品を購入すると50%割り引くクーポンが表示されました。
最初は金額の上限や商品の限定などがあるのだろうと思いました。
実際に試してみたところ、それらの限定は確認できず、一番高い商品であるGalaxy Watch 5 Proで試してみたところ見事に適用されました。
スマートウォッチ自体は通知の確認と脈拍数等の生体データの取得による健康管理の2つを主な目的としてHuawei Watch GT3 Pro(46mmモデル)とGarmin Enduroを使用していましたがHuawei Watch GT 3 Proは独自OSで動くためいまいち使い勝手が良くないと感じることもあり、今回の購入に至りました。
外観
時計本体のデザインは円形のデザインで違和感が少ない
Galaxy Watch 5 ProはApple Watchと違い丸いデザインをしています。
Huawei Watch GT3 Proも同様に円形のデザインをしていますがGalaxy Watch 5 Proの方が分厚いです。
大容量バッテリーを積んでいる関係上分厚いのだと思います。
Galaxy Watch 4までは回転式ベゼルを採用していたようですが今回からは物理的な回転式ベゼルが廃止されています。その代わりに擬似的な方法で回転式ベゼルが再現されています。画面の端=ベゼル部分を指でなぞっていくと画面が切り替わるようになっていたり、音量を上げたり下げたりすることが可能となっています。
Galaxy Watch 5 Proには回転式ベゼルの影響だと思いますが竜頭はありません。物理ボタンは時計右側に2つあります。左手に装着することを前提としたデザインだと思いますが時計の設定から左手に装着するか右側に装着するかどうかを選択できます。
バンド
バンドはDバックルといわれるタイプのバンドとなっていて、マグネットで固定されます。
Dバックルは構造上バンドが広がるために時計を腕に固定できる仕組みになっているため、バンドがくっついたままです。
そのため充電器にセットしにくいという欠点があります。
しかし使ってみるととても固定がしやすく、心拍計がしっかりと肌に密着する様に流さを予め固定して使っていますが装着感も抜群で緩んでしまうこともありません。
装着感と外れやすさのバランスが絶妙に良いと思います。
充電器とのセットは付属の充電器を使って充電する限りは大きく問題はないように思えます。
付属の充電器はApple Watchの充電器と形等は一緒です。
外出先でスマホのからQiの充電をするとき等はバンドが邪魔になると思います。
生体データ
心拍計
心拍計は盛り上がったデザインをしており、肌との密着性がとても良いです。Garmin Enduroの記事で光学式心拍計では肌としっかり密着していることが精度に大きな影響を与える事を書きましたが、心拍計が盛り上がったデザインを採用することは肌との密着性において非常に重要です。
実際に心拍数をあげるHIITトレーニングを実施した時に心拍数が全く上昇しない等といったことはありませんでした。ただし光学式心拍計であることには変わりがないので明らかに体感での心拍数よりも表示されている心拍数が低いということはありましたが少し待つと予想上の心拍数にすぐに近づきました。
こういった挙動は光学式心拍計を採用するGarmin EnduroやHuawei Watch GT3 Proも同様にあります。
心電図と血圧計機能
Galaxy Watch 5 Proでは心拍数の測定はもちろん心電図や血圧計の測定にも物理的には対応しています。韓国などの特定の地域では政府の認証を取得できているためそれらの機能が有効になっていますが、残念ながら日本では無効となっています。
ただし検索するとすぐに出てきますが、それらを有効にするアプリがインターネット上で配布されています。Androidは公式ストア以外のアプリのインストールができますので、それをインストールすれば上記機能も使用できます。
ちなみに上記のアプリをインストールしてみた結果私の日本版Galaxy Watch 5 Proで心電図と血圧の測定機能が有効化されました。
私は心疾患や血管系の疾患はありませんので心電図測定機能や血圧計測定機能は使っていません。
ちなみにこのアプリでは心房細動以外の期外収縮は検知できないと明確に記載されています。
一般的に心電図を解読できる一般人はいないと思うので、これらのデータは心疾患の既往がある人が受診の時に医師に診てもらう等するのではないかと思います。
アプリ上から心電図をPDFデータで出力する機能があります。データをただ単に記録するだけでなくどのように活用していくのか?という部分も考えられていると思います。
睡眠計測といびきの検出
腕時計をしたまま寝ることで睡眠時間やレム睡眠、ノンレム睡眠などの睡眠周期について計測ができる。計測の結果についてはおおよそ正確で、他のウォッチでの計測結果と概ね同様の結果が測定された。
Samsung Healthアプリ独自の機能としていびきの検出機能がある。これはGalaxy Watchを装着し、ペアリングしたスマートフォン本体を充電ケーブルにつないだ状態でスマートフォンのマイクを自分の頭に近い場所に置いて寝ることでいびきの計測ができる機能だ。
実際に試したところ、ほとんどいびきは検出されなかった。面白かったのは犬と一緒に寝たときに、犬がスマートフォン本体の真横で寝ていた時に犬の寝息のようなものが録音されていた。犬と人間の音を区別する能力はさすがにないようだ。
レム睡眠やノンレム睡眠、浅い睡眠がどれくらいあるというデータの計測ができるのはすごいことだ。
問題はそのデータをどのように分析し、活用していくことができるかだ。データは収集しただけでは何の意味もない。
現状のレベルを把握し、正しい目標を設定して日々の行動に反映させることができてこそ意味をなす。
Samsung Healthアプリでは睡眠コーチという機能があり、よりよい睡眠をとるためにどのようなことを日々実践していけばいいのかについてレクチャーしてくれる。
睡眠モードをスマートフォンで設定していると睡眠モード開始時間が近づくと睡眠コーチ機能が寝るまでに向けてやるべき事についてレクチャーを通知してくれる。
体組成計機能
時計本体あるいはスマートフォンのSamsung Healthアプリの体組成という項目の中から測定を開始できる。
測定を開始すると体重の入力を求められる。体重を入力後10~20秒くらいで時計本体横のボタンを第2と第3指を触れた状態、かつ両脇を少しあけた状態のままにしておく。
測定が終了すると骨格筋量、体脂肪量、体脂肪率、体内の水分量等が記録・表示され記録される。
一般的な家庭用の体重計の体組成機能と表示される体脂肪率に大きな違いはなかった。
ただし、ジムに置いてある体重計と家庭用の体重計では骨格筋量の測定と体脂肪量・率の値が大きく違った。
具体的にはジムにおいてある体組成計の方が筋肉量が圧倒的に多く測定される。そのため、体脂肪率も大幅に家庭用より低く表示される傾向があるように私には感じられる。
本当の体脂肪率の測定はかなり難しいみたいなのでどちらの数字が正確なのかはわからない。
体組成計の数字は1つの目安として、腹囲を計測したり実際に鏡で自分の身体のラインの比較をするのが一番いいと思う。
私が一番目安にしているのは血管の浮き具合だ。
ある程度体脂肪が絞れてくると大胸筋の上に静脈が浮き出てくる。さらに横隔膜付近、肋骨がなくなって腹筋の領域に移り変わる部分にも血管が見えてくるようになる。
下腹部の腸骨稜付近や大腿部も体脂肪が絞れてくると血管が出てくるので目安としている。
額の横の部分も血管が走行しており、体脂肪が減ってくると確認しやすくなる。額は服を着ていても簡単に確認可能なので自分以外の人の体脂肪の量を知る目安にも使える。
体脂肪率がさらに低下して10%を切ると前腕の血管が見える状態から静脈の横の皮膚が静脈よりも陥没して血管がまさに浮き出て隆起した状態になる。
これらの目安となる部分が出現したときに表示される体組成系の体脂肪率を目安とすると良いと思う。
運動機能
標準アプリは豊富な運動種類がある
標準のアプリで対応している運動の種類はたくさんあります。以下のリストにまとめました。
- ウォーキング
- サイクリング
- ウェイトマシン
- 水泳(屋内/屋外)
- ランニング時のコーチング
- サーキットトレーニング
- ハイキング
- ランニング
- エアロバイク
- ルームランナー
- エリプティカルトレーナー
- ももあげ
- アイススケート
- アイスダンス
- アイスホッケー
- アルペンスキー
- アーチェリー
- インラインスケート
- カイトサーフィン
- カヌー
- カヤック
- クランチ
- クリケット
- ゴルフ
- サッカー
- シュノーケリング
- ショルダープレス
- スカッシュ
- スキー
- スクワット
- スケーター
- ストレッチ
- スノーボード
- セーリング
- ソフトボール
- ダンス
- テニス
- トレッキング
- ハンドボール
- バドミントン
- バレエ
- バレーボール
- ビーチバレー
- ピラティス
- フラフープ
- プランク
- ベンチプレス
- ホッケー
- ボウリング
- ボクシング
- ボート
- マウンテンバイク
- ヨガ
- ヨット
- ラグビー
- ラケットボール
- ラテラルレイズ
- ラフティング
- ランジ
- ローイングマシン
- ローラースケート
- 乗馬
- 卓球
- 懸垂
- 格闘技
- 水上スキー
- 水中エアロビクス
- 登山
- 社交ダンス
- 縄跳び
- 腕立て伏せ
- 腹筋
- 野球
- アームエクステンション
- アームカール
- アメリカンフットボール
- ウィンドサーフィン
- エアロビクス
- オリエンテーリング
- クロスカントリースキー
- スキューバダイビング
- スタージャンプ
- ステップマシン
- スノーシューイング
- デッドリフト
- ハンググライダー
- バックエクステンション
- バーピーテスト
- バスケットボール
- フライングディスク
- フロントレイズ
- ラットプルダウン
- レッグエクステンション
- レッグカール
- レッグプレス
- レッグレイズ
- ロッククライミング
頑張って数えたところ96種類のワークアウトがあるようです。
ジムのマシンを使ったウェイトトレーニングが1つにまとめられておらずいっぱいちりばめられているので種類がたくさんあるように思えます。96種類から、デッドリフトが終わったらスクワット、スクワットが終わったらベンチプレスとジムで種目ごとに選んで測定するというのは現実的ではないと思います。
種類がたくさんあるのはいいのですが、それらのワークアウトがどのように計測されるのかを詳しく説明してくれる商品紹介ページが各社で提供されていないのが大変残念です。
本当に運動する人に対して商品の魅力を説明するのであれば当然必要な説明だと思うのですが、各社こういった部分で他社と差別化を図っていくという姿勢ができていないように思えます。
アプリの追加で対応の幅は広い
Wear OS搭載機種のいいところとして標準のアプリで対応していないワークアウト種目があったとしても追加でそれに対応しているアプリをインストールすれば計測できることです。
ヘルスコネクトでアプリ間の生体データの連係がしやすい
Androidアプリのヘルスコネクトは歩行数、体重、血圧、脈拍、消費カロリー等生体データを取得するアプリ同士でデータの連係が可能だ。
iPhoneではiOS 8.0.2からヘルスケアアプリでApple以外のアプリと連係ができるようになっていた。iOS 8.0.2は2014年9月16日にリリースされている一方で、Androidのヘルスコネクトアプリが日本で展開され始めたのは2023年4月からだ。
Appleの方がGoogleと比較して圧倒的にヘルスケア分野では先行している事がわかる。
決済機能
Galaxy Watch 5 ProはNFC機能を搭載している。
Felica は非搭載のため、iDやQuick PayやSuicaは非対応となっている。
試しに手持ちのカードを登録しようと試したところ、手持ちのカードでは登録できなかった。
試したカードは以下のカードとなる。
- 三井住友カードNL(VISA)
- 楽天カード(VISA)
- 楽天銀行デビットカード(VISA)
決済機能に関しては圧倒的にApple Watchの方が優れている。
統合的な非接触決済機能の提供という意味ではAppleの方が圧倒的に強い。
日本国内だと他に独自で頑張っているのはGARMIN Payくらいしか思いつかないが、こちらも対応カードや使えるSuicaの定期券が使えないなどサービスに制約がある。
バッテリー性能
バッテリーの持続時間
私は普段は手首検出をON、常時ディスプレイもオンにしている。
時計のコンプリケーションには天気等を表示しており、さらに常時脈拍とストレスの計測、睡眠時のSpO2計測もオンでいびきの検出もオンにしているため、バッテリーの消費はかなり多い使い方をしていると思う。
さらに毎朝ジムで2.5~3時間程度筋トレでワークアウトに使用している。
使用した感覚では1日にでバッテリーの半分程度を使用する感覚だ。
毎日充電はしなくてもいいが、次の日帰ってきたらすぐに充電をしないと厳しいという感じだ。
GARMIN Enduroであれば1週間ちょっと、Huawei Watch GT3 Proであれば3~4日程度のバッテリー持ちだった。
このスマートウォッチとフェアな比較ができるのはApple Watchだと思う。独自OSやそもそもMIP液晶を採用しているGARMINとの比較はアンフェアだ。
通常のApple Watch (私が使ったことがあるのはApple Watch 初代、Series2, Series 5共にサイズは大きい方を選んできた)よりも圧倒的に良い。Apple Watch Ultraは使ったことがないため比較ができない。
Wear OS搭載機種を使用するのは初めてだがWear OS搭載機種の中でもこの機種はバッテリーが大型な分バッテリー持ちがいい部類に入ると思う。
そして私ほどバッテリーを酷使する設定の人は少ないと思うので多くの人の使い方においてはバッテリー持ちは十分ではないかと思う。
バッテリーの充電の手間が惜しいという人はHuawei Watch等独自OSを搭載した機種を使用するのをお勧めする。
充電時間
私は毎日充電している。充電するタイミングは朝起きたときと、仕事から帰ってきて寝るまでの間に充電をすることが多い。
1日2回充電すると、朝、夕のそれぞれで15~30分程度の充電で残量70%程度から100%まで回復してしまう印象だ。
Samsung公式のホームページの情報によると30分の充電で0~35%程度まで充電できるようです。
一般的にバッテリーが充電されればされるほど充電速度はバッテリー保護のために速度を落とす傾向があります。
プラスガジェットさんの情報では概ね1時間30分程度で0~100%まで充電できるようです。
充電器は5V2Aに対応していて10W充電に対応しているという情報がインターネット上で見つけましたがSamsung公式のホームページ上では見つけることができませんでした。
充電が完了するとスマートフォン本体の通知バーにアイコンが表示されるのでわかりやすい。通知パネルの中にもバッテリー充電完了と表示される。
Galaxy Watch 5 Proを購入して良かったこと
機能の豊富さとバッテリーの持続時間のバランスが良い。
Wear OSではない機種ではもっとバッテリー持ちが良い機種があるが、ヘルスケアアプリやワークアウトの測定等が貧弱だったり、アプリを自由に追加できなかったり、アプリの種類が圧倒的に少なかったりするがGalaxy Watch 5 ProであればWear OS対応アプリが使用できる。
充電の頻度は私はヘビーユーザーなので毎日必要となりますが、一般的には2,3日に1回で大丈夫だと思います。
付属ベルトの装着感がよく衛生的
スマートウォッチがしっかりと腕に固定できることは運動をするときの心拍計の精度に影響があります。
なので、ワークアウト中でもずれたりしないようにしっかり固定できるバンドであることが望ましいのですがきつすぎても装着感が悪くなってしまいます。
付属のDバックルのベルトであれば装着感が抜群に良いです。
素材も汗を吸うタイプではないので運動をしても水洗いをすれば汚れがちゃんと落ちてくれます。
Galaxy Watch 5 Proのイマイチな点
サイズが大きいためぶつけやすい
Galaxy Watch 5 Proに限らず大型のバッテリーを搭載した機種はサイズ自体が大きくなり安いため色々な物にぶつけやすいです。
Galaxy Watch 5 Proは幸いケースを装着していても違和感のないデザインをしているため、私はケースを装着して使用しています。
ちなみに私が購入したのはRingkeというメーカーのケースです。私はブラックモデルを購入したためこのケースのブラックを装着すると装着していることがわからないくらいしっくりきていてとても良いです。
NFC決済機能が充実していない
Google WalletでNFC決済機能を試そうとしましたがほとんどのカードが対応していませんでした。私の手持ちのカードでもAndroidスマートフォン本体であればNFC決済を登録可能なカードもありますがWear OSでは非対応でした。
今後サービスが拡充していくと思いますが現時点ではApple Pay搭載のApple Watchの方が非接触決済に関しては圧倒的に優れていると思います。
もちろんこれはGalaxy Watch 5 Proの欠点と言うよりはWear OS搭載機種の欠点です。
このGalaxy Watch 5 Pro固有の欠点をあげるとすればFelicaは非搭載なのでiDやQuick Pay、モバイルSuicaの対応は期待できません。
まとめ
Galaxy Watch 5 Pro はWear OSを搭載しているためアプリの追加等が簡単にできます。
Samsung Healthが搭載されていて、日本国内では認証が取得できていないため有効化されていないのが非常に残念ですが心電図測定機能や血圧測定機能もハードウェア的には搭載されている機種です。
いつ有効かされるかはわかりませんが、Samsung自体はSamsungオンラインストアを2023年に開設し、フラッグシップモデルであるGalaxy S23 UltraのSIMフリーモデルもメーカー直販で販売を開始しています。
今後日本市場に力を入れてくれることは期待できるのではないでしょうか。
運動を激しくする人はGARMINやPOLAR等のアスリート向けの機能が充実したモデルが良いと思いますが、ほとんどの人はそこまで激しく運動をするわけではないと思います。
iPhoneを使わないけど自分の健康に関心を持っているという人にお勧めの機種だと思います。
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