文字入力を多用する人で複数端末を利用する人にとって日本語入力環境はとても大切だと思います。
私は業務ではWindowsPCとiPhoneを、プライベートではWindowsデスクトップPC、MacBook Pro 14インチ、iPhone14 Pro Max, Pixel 7 Pro, Galaxy Z Fold4を使用しています。1人で複数端末を利用するのは当たり前の時代で端末を選ぶときの基準として日本語入力環境の充実があると思います。
Apple製品は辞書の同期が可能
Apple製品は自社のデバイスの連携をiCloudを提供開始した2010年代初頭から重視した戦略をとっています。Appleの驚くべきところはその連携の対象に日本語入力も含めているということです。もちろん日本語入力は日本語を使う人くらいしかいないわけで世界で1億2600万人程度しかいないわけです。日本のローカライズをそこまで真剣にできているのはAppleしかいません。
日本語入力ソフトといえばJustSystemのATOKが有名です。しかしATOKは残念なことにPCとiPhoneの連携が現状できていません。入力エンジンも異なっているようです。少しだけ使ったのですが連携が弱すぎてあまり使うメリットを感じませんでした。
1台のパソコンの中にインストールしてそれだけで完結する時代ならいいのですが仕事では出先ではiPhoneを、事業所ではWindows PCを使っていますし、プライベートも考えるとさらにAndroidも加わります。主要なOS(Windows, Mac, Android)を網羅する日本語入力ソフトがないのが残念ですが現状ではApple製品で揃えるのが一番効率がいいと感じています。
ライバルとしてATOKやGoogle日本語入力がありますがATOKはiOS対応が弱くて辞書の同期などもパソコンの方と同期ができないこと、Google日本語入力は以前あった辞書のクラウド同期ができなくなっているためメインとして利用するに至っていません。
ATOKが今後目指すべき方向性は自ずとマルチデバイス対応にあるのではないのかなと思います。理由は単純で以前よりも使うデバイスの数だけでなく種類も多様になっているからです。昔だったらパソコンのソフトと言ったらWindowsだけでMacも対応しているのは珍しかったくらいですが今では文字入力をして何かを作る作業というのはパソコンだけでなくスマホやタブレットも担う時代だからです。
AppleとGoogleの弱点は自社向けのサービスを優先せざるを得ないという事情があることです。OSに拘らずにサービスを提供するのはサードパーティの方がやりやすいと思います。加えて、日本語というのはグローバル企業が攻めにくいローカルな分野だと思います。これらの理由から標準のIMEの弱点を克服したサードパーティの日本語入力ソフトが出てくることを期待しています。
Android端末はGalaxy Z Fold4やPixelシリーズのように最先端のハードウェアやAI技術を駆使したソフトウェアなど尖った魅力のある製品を展開していることがとても魅力的な一方、統合的な体験を考えることができていないのが欠点だと思います。
Samsung日本語入力はGalaxy系のデバイスに搭載されていますがこちらの日本語入力は辞書の同期もできないだけでなく、変換した際に出てくる単語もApple、Google, ATOKのどれと比較しても数ランク落ちるレベルでした。日本ではあまり売れていないのでしょうがないかもしれないですが最も世界で売れているスマートフォンメーカーの一つですので残念だなという思いです。一方でそれだけ日本語入力というのはローカルな分野なんだと思います。
Appleが日本語入力に対して一貫して取り組んできた姿勢は今だからこそとても評価できると思います。iPhoneに搭載されたフリック入力、Macに搭載されたライブ変換など革新的な入力方法を提案してきた歴史があります。日本語入力のためにそれだけ力を入れてきてくれたAppleには頭が下がります。
Apple製品を使うと統合的な日本語体験ができるからApple製品を買ってしまう
Appleの日本語入力はApple製品じゃないと使えないです。しかし昔と違ってMacだけでなくiPhone、iPadといったモバイル製品の登場、OSに依存しないクラウド型サービスの充実により昔より確実にApple製品だけで問題ないという環境に変わってきています。私の場合であれば業務の大半はApple製品だけでも問題なく作業ができます。
今後もしばらくApple製品を購入していく日々が続きそうです。
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